◆語り部派遣事業について 詳細はこちら
戦中や終戦直後の暮らしの様子を後世に伝承しようと、厚生労働省が2016年度に始めた語り部育成事業は3期生までが研修を終了。中国残留日本人の語り部が大半を占める中で、旧ソ連(樺太・シベリア)残留の語り部として研修を続けてきた2期生の太田満さんが、このほど研修を終了し、関係者を前に初めての講話を行いました。当日は新型コロナウィルスの影響でオンラインの開催となりましたが、太田さんは2019年に札幌で亡くなった永住帰国者の伊藤實さんから聞き取った話を、サハリン残留の歴史的背景とともにわかりやすく語りました。伊藤さんの想いを直接聞いた太田さんの語りは聞く人の心に響き、戦争がごく普通の市民にどのような苦しみを与え続けたかを考えさせるものでした。
語り部として研修終了した人たちの派遣事業が始まりました。戦後75年が過ぎ、当事者から直接、経験を聞くことが出来なくなっていくなかで、次の世代に伝える語り部たちの話にぜひ耳を傾けてください。