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サハリン日本人会の新会長に加藤晃枝さん就任

 白畑正義会長の永住帰国に伴い、12年ぶりに新会長が誕生しました。新しい会長に就任したのはユジノサハリンスク在住の加藤晃枝さん(68歳)。サハリン日本人会は、2021年6月4日(土)ユジノサハリンスク鉄道会館で臨時総会を開催。満場一致で、白畑さんの退任と加藤さんの新会長就任が承認されました。なお、副会長は引き続き須田雅美さんがおつとめくださいます。
 加藤さんは、父親が大阪、母親は北海道出身の残留日本人で、ユジノサハリンスクに生まれました。ウラジオストクの大学で海洋学を学び、サハリン気象観測局に就職。海洋技師として働いたのち、20年にわたってサハリン気象センター長を務めました。現在なお、環境問題の研究に携わる団体の代表として、責任ある仕事を続けるキャリアウーマンですが、今回は白畑会長の永住帰国にあたって、余人に代えがたい人材として新会長就任をお願いしたところ、快くお引き受けいただきました。

加藤晃枝さん

新会長 加藤晃枝さん

総会

加藤さんの総会でのご挨拶の一部を紹介します。

 私がサハリン北海道人会(日本人会)の会長職に就くことを決心したのは、ただ一つ、尊敬する白畑前会長に、安心して治療にご専念いただけるよう願ったからであります。誰にとっても、健康ほど大切なものはありません。
 皆様のご信任に感謝申し上げるとともに、私たちの協会が今後とも順調に活動を継続し、在サハリン同胞の方々が祖先の国・日本を訪れ、ご親族との出会いを深めていただけるよう、全力でがんばる所存です。

 サハリン日本人会は残留1世会員が年々少なくなるなかで、あらたな時代を迎えようとしています。加藤新会長のもと、新生サハリン日本人会の発展に期待したいと思います。

サハリン日本人会総会の模様を伝えるNHKニュース
2021年6月5日放送
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サハリン日本人会前会長 白畑正義さんが永住帰国しました

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ウラジオストク空港にて。右端は乗り継ぎ・滞在を支援してくださった協会会員のウラジオストク日本センター宮川琢所長

 2021年7月11日、サハリン日本人会前会長の白畑正義さんが長女セツ子さんとともに成田空港に到着。永住帰国第一歩を踏み出しました。新型コロナウィルス感染拡大が続く中での帰国となったため、ユジノサハリンスクからの直行便が運休中で、前日にウラジオストクに1泊しての入国となりました。さらにロシア出国前と成田入国前のPCR検査、入国後14日間の隔離期間など、通常とは違う状況が続きましたが、無事、東京都内の研修施設にあたる宿舎での新生活が始まりました。
 白畑さんは1990年以降に当協会が扱った永住帰国者としては136世帯目、所沢の定着センター閉所後に中国帰国者支援交流センターが迎える初めての樺太残留邦人となりました。永住帰国への希望はこれまでも持ってはいましたが、2009年に奈良博元会長の突然の死去に伴って会長に就任してからは、会員の一時帰国や永住帰国のお世話をする立場として、自らの永住帰国はほとんど諦めた状態でした。しかし81歳を過ぎて、体調の不安も大きくなった時に、加藤晃枝さんが新会長としてサハリン日本人会を引き継いでくれることになったことから、ついに永住を決意。長女セツ子さんも、先祖の地である日本に住みたいという父の願いを実現させるために同行することにしたのです。
 長年にわたって、白畑さんには、サハリンの残留日本人だけでなく、日本からサハリンを訪れる多くの人びとが大変お世話になりました。これからはさらに元気になって、安心して日本での暮らしを楽しんでいただきたいと思います。

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(北海道新聞 2021年7月9日付)