戦後80年が過ぎた今、樺太残留日本人も旧樺太出身者も多くの方が亡くなり、あるいは高齢化しています。しかしサハリンには今も、日本への深い想いを持った多くの2世、3世がいます。また永住帰国した方々の子孫が日本に根を下ろしています。彼らはともにロシアと日本の文化と魂を受け継ぐ存在であり、日露をつなぐ未来への架け橋です。
そうした思いからNPO法人日本サハリン協会では、彼らとロシア人双方に呼びかけ、あらたな関係を作っていきたいと「未来をつむぐ『百万本のバラ』プロジェクト」を企画。この思いに共感してくださった加藤登紀子さんの協力を得て2018年6月、コンサートと同行ツアーを実施いたしました。
プロジェクトでは、サハリン日本人会の皆さんを加藤さんのコンサートにご招待するとともに、友好の証としてユジノサハリンスク市の日本センター内にバラの記念植樹をおこないました。未来をつむぐ一歩としてのコンサート、そしてバラの植樹が、日本とサハリンの人々を結ぶ架け橋となるようにとの想いをこめたイベントは、サハリンと日本の多くの方々のご支援を得て実現することができました。
プロジェクト終了後、さらに関係を深め、ともに歩む企画を展開しようと準備していた矢先にコロナパンデミックが世界中を覆い、さらにはロシアのウクライナ侵攻開始によって、一切のプロジェクトが中止になってしまいました。しかし、私たちの思いは変わりません。いつかまた活発に交流できる日を願って、未来に向けての歩みを続けたいと思っています。
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