NPO法人日本サハリン協会

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 NPO法人日本サハリン協会は、23年間サハリン残留邦人の支援活動を行ってきた「日本サハリン同胞交流協会」から活動のバトンを受け継ぎ、2013年4月より活動を開始しました。会長として協会の仕事をするようになって最も驚いたのは、「サハリン」と聞いて何のことかわからない人が想像以上に多かったことです。北方四島の一つと思っている方、「サファリ」と間違えていた方、甚だしきは地名であることを知らなかった方までいました。第2次世界大戦敗戦から70年も経つのですから仕方がないかもしれません。しかし、知られていない最も大きな理由はサハリン(樺太)で起きたことが伝えられてこなかったからではないでしょうか。
 私自身、旧ソ連のペレストロイカ政策によって実現したピースボートのクルーズで、1988年に初めてサハリンを訪れるまで、サハリンの歴史について無知でしたし、祖国への思いを募らせながら日々を過ごしてきた日本人がいらっしゃるとは思いもしませんでした。この時の日本人女性との出会いが、私の現在の活動につながっています。そしてちょうど同じころ、かつての樺太出身者たちも里帰りし、残留邦人と出会いました。その方々は、離散家族の面会を実現させようと「1日でも早く、一人でも多く」を合い言葉に任意団体を設立し、1990年に第1回の一時帰国を実現させたのです。これが協会の前身となる「樺太(サハリン)同胞一時帰国促進の会」でした。
 その後、会の名称は「日本サハリン同胞交流協会」とあらためられ、1992年からは一時帰国だけでなく、永住帰国も支援するようになりました。この事業の中心になり、身を粉にして、あるいは私財を投じてサハリン残留の方々のために活動した人たちの多くは、樺太(サハリン)を自らの故郷とする方々でした。
 しかし、こうした活動が続いていたにもかかわらず、私たちの国では、戦争の教訓として「樺太」が語られることはほとんどなく、今も「樺太で起こっていたこと」は、たとえば満州や沖縄といった地域での戦争に比べて圧倒的に知られていません。世界地図を広げた時に、北海道の北に南半分が空白になっている島のあるのを見つけて不思議に思った経験はありませんか?それがサハリンの現実を表しているといえるでしょう。
 戦後70年、今も離散家族の悲劇は世代を超えて続いています。現在、協会役員の大半は私を含めて戦後生まれですが、だからこそ今、私たちが受け継ぎ、次へ伝えていかなくてはいけないと思っています。





| 設立の趣旨 | 設立及び事業経緯 | 団体概要 | 事業内容 |
1985年に誕生したソ連・ゴルバチョフ政権のペレストロイカ政策によって、それまで墓参団だけに限られていたサハリンへの訪問が、一般の観光客にも広がり、樺太出身者による訪問が相次いだ。こうした中、1988年に「平和の船」でサハリンを訪問した樺太出身者たちに対し、サハリン残留邦人から、日本への里帰りの実現に向けて支援の要請があった。これに応えるため、有志により1989年12月に里帰り・一時帰国の実現に向けて「樺太(サハリン)同胞一時帰国促進の会」が設立された。

1988年9月 「平和の船」でサハリンを訪問した人達が、残留邦人から、日本への里帰りの実現に向けて支援の要請を受ける

1989年9月 「平和の船」で有志がサハリン入りし、残留邦人と面会
里帰り・一時帰国の実現に向けての組織づくりを開始

1989年12月8日 「樺太(サハリン)同胞一時帰国促進の会」を設立

1990年5月28日 第一次の一時帰国者12人がユジノサハリンスクからハバロフスクを経由し、新潟空港に到着。以後一時帰国者受け入れ支援を実施

1990年12月 残留日本人がユジノサハリンスクで「サハリン日本人会(北海道人会)」を結成

1991年7月 ここまでの地道な運動に対して外務大臣表彰を授与される

1991年11月 協会として初めてサハリンからの永住帰国者を旭川に迎える

1992年12月8日 「促進の会」を発展的に解消し、「日本サハリン同胞交流協会」を設立

1995年 政府より「引揚業務(一時帰国業務)」の委託を受ける

1996年 永住帰国者の身元引受人として団体登録し、団体引き受けを開始

1999年 特定非営利活動法人(NPO法人)の認証を受け、厚生労働省より樺太等残留邦人の集団一時帰国に関する事業を受託

2000年度より 厚生労働省より樺太等残留邦人の情報収集調査に関する事業を受託

2012年12月12日 協会役員、会員ともに高齢化が進んだことから、「特定非営利活動法人 日本サハリン協会」と改称、役員を一新して、事業を継続

2016年5月14日 樺太・旧ロシア大陸残留日本人のための共同墓所落成(札幌市) > 詳細はこちら

2016年8月22日 外務省より「樺太日本人墓地等委託調査」受託(担当:中山大将)。2017年2月報告書提出。

2016年9月29日 サハリン日本人会白畑正義会長に「外務大臣表彰」伝達

2018年6月20~21日 ユジノサハリンスク市にて「日露 未来をつむぐ『百万本のバラ』プロジェクトおよび加藤登紀子コンサート開催(共催:トキコ・プランニング、ロシア旅行社)

2018年6月20日 サハリン日本人会白畑正義会長に「旭日双光章」伝達

2020年12月 北海道より「地域生活支援事業委託業務」受託

2021年6月5日 サハリン日本人会会長白畑正義氏が退任。新会長に加藤晃枝氏が就任

2022年3月 ウクライナ在住の残留邦人・降簱英捷氏の避難を支援


小川岟一 前会長
2013年3月総会・旧役員(前列)と新役員(後列)

団体名 NPO法人 日本サハリン協会
代表者 斎藤 弘美
所在地 東京本部
〒151-0065 東京都渋谷区大山町46-5 スペーシア大山町202
TEL:03-5453-2931  
FAX:03-5453-2936
メールアドレス:info@sakhalin-kyoukai.com

北海道事務所
〒060―0001 北海道札幌市中央区北1条西3丁目MNビル6FSIS内
TEL:011-252-7717
FAX:011-206-6565

サハリン事務所(サハリン日本人会)
ロシア・サハリン州ユジノサハリンスク市コムソモリスカヤ通154 オフィス6
会員数 
〈2024年1月1日 現在〉
236名・世帯(うち一般会員146名、永住帰国者会員 90世帯)
*永住者会員は世帯メンバーを全て会員とする家族会員としているため単位は世帯で表しています。
*一般会員はすべて個人会員です。

〈2024年1月1日 現在〉  
サハリン日本人会会員数 87名
*会員数は残留邦人数とは一致しません。

帰国者数 〈2024年1月1日 現在〉
  一時帰国者数 3,683名(実数1,289名)
永住帰国者数 138世帯 310名
  *ただし一時帰国、永住帰国者数とも1990年5月以降、当協会が扱った人数で、
国費援護対象外者(協会の招待による一時帰国者、自費で呼び寄せた永住帰国者)が
含まれており、厚生労働省の統計とは若干の差異があります。

一時帰国者、永住帰国者の送迎・帯同及び身元引き受け
一時帰国の事務手続き
永住帰国者の生活支援
サハリン及び旧ソ連地区の現地調査
会報の発行、その他、本会の目的を達成するために必要な業務




旭川に永住帰国している畠山一家と斎藤会長



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